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こんな感じだったのかな?(その1)<HBOドラマ『ローマ』シーズン1> [テレビ・ドラマ]

ユリウス・カエサルがガリア(現在のフランス等)制覇を成し遂げ、対立姿勢を強めていた元老院と戦うため、ルビコン川を渡ります。

内戦の開始です。その様子はカエサル自身の手による『内乱記』に記されていますが、正にこの時期の共和制ローマを描いているのが、このシーズン1です。

内戦開始の翌年の紀元前48年9月には宿敵・ポンペイユスがエジプトで殺され、カエサルのエジプト(アレクサンドリア)上陸を経て、エジプトはローマのコントロール下に入ります。

マルクス・リキニウス・クラッスス及びグナエウス・ポンペイウスとの第一回三頭政治の様子やカエサル暗殺までをカバーしています。


カエサルやポンペイユス、マルクス・アントニウス、カトーなどの歴史上の人物の動きに絡ませて、かつてカエサルの部下だったルキウス・ウォレヌスとティトゥス・プッロが活躍します。

ウォレヌスとプッロはローマに戻り、退役軍人として市民生活を送ろうとしますが、なかなかうまくいきません。これがまさにローマが抱えていた退役軍人問題です。

ローマの軍団は国民皆兵から志願制に移り、専門化・高度化が進んだ半面、市民生活との距離が開いて、市場経済についていけない者が多かったと考えられています。

退職金代わりに土地をもらっても耕し方を知りませんし、作物を市場で売ることにも慣れません。戦争で得た奴隷を売ることしか金銭を得る方法を知らなかったり、用心棒稼業くらいしか軍人のスキルを活かす道がなかったりしている様子が描かれています。


登場人物が全員欲に突き動かされている人間に描かれているのがこうしたドラマにありがちで、女性同士の争いも随所に描かれています。


最終話ではカエサルが元老院議場で刺殺されますが、最後にブルータスに「お前もか」と言わずに静かに亡くなります。確かに「何か言った」説、「何も言わなかった」説、「ブルトゥスよ、お前もか」説といろいろあります。

この「ブルトゥス」はカエサルの子に近い扱いを受けていた「マルクス・ユニウス・ブルトゥス」を指すと言われています。「ブルトゥスよ、お前もか」のセリフは、英国の劇作家ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ジュリアス・シーザー』で有名となり、裏切り者を指す言葉になっています。

私は、カエサルが(第2位だが)自分の後継者とも考えていたデキムス・ユニウス・ブルトゥス・アルピヌスが暗殺に加わっているのを見て驚いて発した言葉だったと思いたいです。

根拠は、カエサルが自分の眼鏡違いを後悔したのかもしれなかったと感じて発した言葉だと辻褄が合う気がするからです。カエサル暗殺後、カエサルの遺言状が開封され、相続人(後継者)第一位はオクタウィウス(後の初代皇帝アウグストゥス)だったが、デキムス・ブルトゥスが第二位、しかも、オクタウィウスが若年の場合の後見人にまで指名されるほど信頼されていたのに、カエサルを裏切って、暗殺に加わっていたのです。

カエサルの後継者を自負していたマルクス・アントニウスは、遺言状では名前すら言及されていないことにショックを受け、オクタウィウスを支持することをせず対立を深め、やがてはエジプトを後ろ盾にローマに対し戦いを挑んでくることになります。この辺りはシーズン2で描かれています。

2020/10/05

*10/17以降アップ分
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