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シングルマザー・祥子 [碌華箋]

 祥子(しょうこ)はいつもと変わらず息子の歩(あゆむ)の幼稚園の準備を整え、自分も仕事に行く準備をした。幼稚園では幸いにもコロナもインフルエンザも手足口病も流行せず、毎日予定通りに子供たちが通っていた。祥子も準備ができて、歩と幼稚園バスがピックアップしてくれる隣の団地の入り口まで来た。
「ママ、いい匂い」
「そう?ありがとう」
「仕事、頑張ってね」
「うん、ありがとう。歩は幼稚園、楽しんでね」
「はーい」
 他の家族もバス停の周りに集まり始めた。同じクラスの翔人(はやと)君もバス停まで来た。翔人君のお母さんは翔人君が3人目の為か、子供が一人目の祥子よりは10歳くらい上だった。

「おはようございます!」
「おはようございます!歩君、今日は新幹線ね」
「そうでーす、ハヤブサ!」
「いいねぇ!うちはコマチだね、翔人」

 ちょうどこの年齢の子達には鉄道模型の子供版ともいえる「プラトレイン」が大人気で、実際の玩具以外にシャツや靴下、帽子、バックパックなど関連グッズもたくさんあった。

「うん、僕、歩君と連結して幼稚園行くよ」
「行っておいで」

 二人は手を繋いで仲良く幼稚園バスに乗り込んだ。
 祥子は翔人の母・陽子に挨拶した。

「お疲れ様でした」
「お疲れ様です!祥子さん、お仕事、いってらっしゃい!」
「ありがとうございます!陽子さんも」

 祥子は百貨店で靴を売っていた。歩が幼稚園に行けるようになってから復職していた。歩の父親からの暴力から逃れるようにして実家に戻り、歩がまだ小さいうちは家にいて、家業を手伝いながら離婚の調停を進めた。やっと離婚が成立した頃、歩が幼稚園に行く年齢となり、自分も復職した。

「歩と連結か」

<手をつなぐというのを連結というのね。私もあの人と連結するけど、手をつなぐだけじゃないのよね、今日は>
 祥子は百貨店に向かう地下鉄に揺られながら考えて、急に赤面した。
<前回、何回イったんだろう、私>
 祥子は地下鉄を降りて、百貨店専用口を通り過ぎて、JRの改札の前まで来て、近くのコンビニに入った。
<あの人ったら、私が「コンビニに寄らなくていいの?」と言って以来、私が「コンビニに行かなくちゃ」という度に茶化すのよね。そう、あの人はコンビニじゃなくて、薬局で買うのよね、アレ>

「お待たせしました!」
「あ、おはようございます!」
「だいぶ待たせちゃいましたか?」
「いいえ、私も来たところです」

<早く繋がりたいよ。濡れているのよ、地下鉄に揺られている時から>

「私、子供と朝食べてきたので、先に」

<そう、私はこの人と繋がり、女性としての悦びを得て、女性としての充実感を持ちたいの。この人にはとても積極的な女性と思われているんだろうな>

「祥子さん、したいの?」
「聞かないで、いじわるぅ」

 祥子は握っていた手に力を込めて、彼を見上げた。目が濡れているように見えたし、心持ち唇がぼってりとしているように見えた。前回が少し久しぶりだったため、祥子は良く濡れ、よく喜びの声を上げ、何度も絶頂に達し、終わった後も彼にしがみついて短い時間だが寝息を立てた。

「どっち?」
「その先を左に」

 祥子は彼に絡めていた腕に力を入れ、彼を誘導した。結局、前回と同じホテルに来た。
 改装してからあまり時間が経っていないモダンな感じの部屋に入るなり、抱き着き、キスをして、彼のを握って摩り、元気にした。

「口でしてもいい?」
「もちろん」

 祥子は跪いて、ズボンのベルトを外し、腰のボタンを外し、チャックを下げ、ズボンとパンツを一緒に下げた。自分が元気にした男性自身がバンと飛び出したのを見て、ジュンと自分自身から液体が漏れるのを感じた。手を添えて、唇を被せていき、半分くらいを口に含んだ。

「硬い」
「それは祥子さんがしたことだよ」

 祥子は、今度は口を外さず、そのまま頷いた。

<分かっているよ!だって、早くほしいんだもん、元気にしちゃうよ>
 祥子は全部飲み込んでゆっくりと頭を上下させ始めた。
<早くほしいよ>
 祥子は彼を見上げた。気持ちよさそうに天井の方を見ている。顔が見えない。
<やっぱりベッドの中でした方が良かったな。彼の感じている顔が見たいな>

「ねぇ、シャワーを一緒に浴びてもいい?」
「いいですよ」

 祥子は立ち上がって彼のシャツを脱がせ、アンダーシャツも脱がせ、ズボンとパンツから脚を抜かせた。その間、彼は腕時計をはずした。

「アタシも」

 祥子はブラウスを脱ぎ、スカートを脱ぎ、ストッキングを脱いでブラとパンティだけになった。そして、そのまま彼に背中を見せた。

「フレアートだね」
「ええ、あなたがきれいだと言ってくれたので、今日は前回と同じシリーズのピンクのバラの刺繍のあるものにしたわ」

 男性は横ストラップと背中に間にスッと両手の人差指を入れ、2段ホックを器用に外した。

<ホックが2段だからCからEカップか。多分Dカップだな。もっとボリュームがあるかもしれないが>
 男性は前回、手で祥子の乳房を包んだ時に感じた重量感を思い出していた。大きさも大事かもしれないが、形や色、乳輪のバランスがいいよね、祥子の胸は、と思っていた。
 男性は次に跪いて、祥子のショーツを下げた。祥子は右脚を上げてショーツから抜き、次に左脚を上げて抜いた。それを軽く畳んで部屋の壁にある棚に置いた。ベッドにポンとおいたブラジャーを拾って、それも軽く畳んでショーツの上に置いた。

「行きましょ!」

 祥子は男性の手を取り、シャワーエリアへと導いた。温度を調節し、ポンプから石鹸を手に出して泡立て、男の胸から洗い始めた。手が下に行くにしたがって、顔が上気したように赤くなっていった。
<早くこれ、ほしい>
 祥子は男性の男性自身を手で丁寧に洗いながら、前回自分に侵入した時の充実感を思い出していた。
<昔のあたしだったら「これ、ブチ込んで!」って言うところだけど、もうそんな年じゃないし、彼はそう言うのを好まない気がするから>
 祥子は顔を上げて彼とアイコンタクトを取った。声を出さずに「ほ・し・い」と口を動かした。
 男は全ての文字、と言ってもたった3文字だったが、を正確に読み取り、祥子にキスをした後、彼女を振り向かせ、尻を突き出させた。両手で尻を広げて彼女の女性の部分がどの辺りか、位置を確認した。
<広げたまま、いつまで見ているの?恥ずかしいわ!>
 男性はシャワーの水ではない潤いのある女性器に自分の男性自身を入れてきた。
 祥子はせり上がってくる圧迫感を全身で受け止め、ブルッと体を震わせた。

<あなたぁ、大きいわぁ、祥子、嬉しぃ、うう、あん!>
 男性は一度腰を引き、再びグッと侵入し、抽送を開始した。

「待って!」
「どうしたの?」
「あなたのが大きいから、ちょっと痛いの」

 男性は祥子がお世辞を言っていると思っていた。自慢できるほど大きな男性自身ではないことくらい、男性は自覚があった。
 祥子は深呼吸をして、体の角度を微妙に調整し、腰を男性に押しつけて、結果的に奥深いところまで男性自身を飲み込んだ。

「動いて!突いて!アタシを突いて!」
「ああ」

 狭くはないシャワー室内に、水の音以外に、艶っぽい女性の声とパンパン腰を打ちつけて発生する音が響き渡り、やがては女性の声が一番大きくなった。

<イく、わぁ、気持ちいいよ、これ!私、今、イく!>

「あなたぁ、アタシ、イくわ、イく、イく、イく、イく、イっく、イくゥ、イくゥ、イックゥ!」

 全身がビクッと跳ねるような動きをした後、シャワーヘッドを掴んでいた祥子はガクッと力が抜け、崩れそうになった。腰を掴んでいる男性に支えられて、バスタブの縁に座らされた。

<やっぱり、マッチングよね!日本語だと相性、かな?>

「祥子、僕たち、相性がいいみたいだね」
「アタシもそう思う!」

<エンジンかかったし、ベッドは多分、最高よね、この人となら…>

2023/09/05<晴>
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