今年最高のヒューマンドラマ＜映画「ラッシュ、Rush」 (2013)＞

1970年代フォーミュラ・ワン（Ｆ１）のライバル同士（ジェームズ・ハントとニキ・ラウダ）の対決・葛藤を描いたロン・ハワードの「ラッシュ」は今年最高のヒューマンドラマだと思います。

ニキ・ラウダ（Niki Lauda、墺）はご存知Ｆ１チャンピオンの座に３度（1975、1977、1984）も着いた。「たら・れば」を言えば、76年のドイツ・グランプリ（ニュルブルクリンク）で無理をしなければ、事故にあわず、76年もチャンピオンにもなっただろうと考えられる。

ジャームズ・ハント（James Hunt、英）はいかにもレースカードライバーはこうだろうとのイメージ通りの派手好きな自信家だったようです。76年のチャンピオンになりましたが、これはチャンピオンになった唯一の年。

ハントはラウダに比べドライバーとして優れていたとは言いにくいが、優勝のかかった日本グランプリでは強い雨の中リスクをとり、かつ不利な状況から順位を上げてポイントを獲得、結果的には１点差でラウダを逆転してチャンピオンになった。３点差でスタートし、ラウダがリタイア、ハントが驚異の追い上げで６位から３位に上がり、４点を獲得して、１点上回りチャンピオンとなった。

この間、ラウダもハントも結婚しているが、物語の中ではラウダは比較的幸せ、ハントは短い間に結婚と離婚を経験していた。ハントの妻スージー（Suzy Miller）は70年代のモデルでしたが、スタイルよりもハントとリチャード・バートンとのそれぞれの結婚で有名になってしまった。

映画ではややえらの張ったオリヴィア・ワイルド（Olivia Wilde）が演じていますが、いい感じでした。映画のためにグッチ（GUCCI）がさまざまな衣装を提供したようですが、オリヴィアの魅力を引き出していると思います。

驚くべきはダニエル・ブリュール（Daniel Bruhl）。ラウダに似ている。いや、雰囲気を本当によく出していると思います。

Ｆ１ファンの多い日本では是非とも観て欲しい作品ですね。公開は来年の２月のようです。

（データ）
Rush (2013)
Exclusive Media Group, Cross Creek Pictures, director: Ron Howard, 123Mns
starring: Daniel Bruhl, Chris Hemsworth, Olivia Wilde, Alexandra Maria Lara

2013/09/28＜晴＞