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血液循環を止める?<SWIFTからロシアを排除> [研究日誌]

ベルリン発ロイターによりますと、2月26日に米欧主要国は、ロシアを国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFT(スィフト=国際銀行間通信協会)から排除することで合意したそうです。

米国、フランス、カナダ、イタリア、英国、欧州委員会が合意しました。

その結果、ロシアの銀行と取引のある銀行等は受払とも課題を抱える(資金がショートする)こととなり、米国が基軸通貨であるドルを供給する必要が生じるとの分析が出ています。

今回の合意はこれまでの経済制裁に比べ、実効力があると思います。

お金の流れは、経済の血液に例えられますが、国の中枢を麻痺させるには血の流れを止めてしまう方法は有効だと思われます。

国際金融に詳しくない方に簡単に説明すると次のようになる。

例:A国にいる人XがB国にいる人Yにお金を送る
1)XはA国にある自分の銀行Fの口座にお金を入れる
2)Xは銀行FにB国にある相手銀行GのYの口座にお金を送るよう依頼する
3)銀行Fは自分の提携銀行Jと銀行Gの提携銀行Kを経由して銀行Gへの送金のルートを設定する
 <お金の流れ>X→F→J→K→G→Y
4)銀行Fはスイフトにこの送金ルートを入力する
5)問題がなければスィフトのネットワークを経由して、提携銀行J、提携銀行K、相手銀行G宛てに送金の予定(指図)を送る
6)実行日にXの口座のある銀行Fからお金が引き落とされる
7)相手銀行Gは指図に従い、Yの口座に入金される=YがXからの資金を受け取ったことになる

個人間で送金の連絡はメールなどでできますが、正式な送金指図はスィフト経由でないと金融機関は対応できないし、しない。

スィフトのメッセージは、誤解や誤認されないよう標準化されています。口座番号が違う人に送金してもいけませんし、金額が間違ってもいけませんし。

スィフトのネットワークにアクセスできないと国際的な送金(受払い)ができません。

メンバー銀行にならないとスィフトは使えませんので、今回のスィフトの「ロシアの銀行をメンバーから外す」という結論は、ロシアの銀行が国際的に資金の受け渡しができなくなるということです。

最終的にロシア政府は国外との取引が不可能となり、武器や資源の購入もできなくなります。

2022/02/28<晴>
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くるりん

oz所長こんにちは。
いやぁ、SWIFTコードってそういうことだったんですね。
いままであまり意識していませんでした。
by くるりん (2022-03-01 08:48) 

oz

くるりんさん、こんばんは!

SWIFTの仕組みを知らない人は多いです。
そもそも海外送金する人が少ないので、
仕組みを知っている人自体少ないですね。

SWIFTのコード体系はよくできています。
送金システムもよく整備されています。
ISOがSWIFTのコード体系に基づいて
いろいろな標準化をしています。
by oz (2022-03-01 22:40) 

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