懐かしい感じ＜映画「The Man from U.N.C.L.E.（コードネームU.N.C.L.E.）」（2015）＞ [Movies 映画]
The Man from U.N.C.L.E.（邦題『コードネーム U.N.C.L.E.（アンクル）』は、1960年代にアメリカや日本で放映されたテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』のリメイク映画です。
テレビドラマ自体はやや安っぽい感じがあって、気軽に楽しめるものでしたが、映画となるとかなりまじめに作っています。アクションもよくできていますし、設定もそれなりに正しいので楽しめます。
例えば、登場する車はトラバントとヴァルトブルグ。冷戦直後に実物を見るチャンスがありましたが、まぁ、何とも言えない車たちでした。しかし、1960年代当時ならば「現役」でしたから、それなりに走ったでしょうね。
役者について言えば、いろいろと批判が多かったようです。
まず、アメリカ人を英国人が演じ、ロシア人をアメリカ人が演じている。ドイツ人をスウェーデン人を演じ、オーストラリア人がイタリア人が演じている。言葉に敏感な人間はその違和感を感じずにはいられない（ようだ）。
主役ナポレオン・ソロをヘンリー・カビル（Henry Cavill）が演じているが、アメリカ人を英国人が演じるのは最近の傾向で、既にヘンリーはスーパーマン／クラーク・ケントというアメリカのヒーロー（設定上は厳密には宇宙人だが）を演じている。
残念ながらこの役に適切なアメリカ人がいないのかもしれません。個人的にはマット・ボーマー（Matt Bomer）が演じてもいいと思うが、こうした規模の映画には抜擢されないのかもしれない。
もう一人の主役、ＫＧＢのスパイ、イリヤ・クリヤキンを演じているのはアーミー・ハマー（Armie Hammer）。ロシア系ユダヤ人の血が流れているから、ロシア人の役を演じてもおかしくないと思われたのかもしれません。
これも個人的な意見だが、アントン・イェルチンの方が合いそうだ。テレビシリーズでは英国人デヴィッド・マッカラム（David McCallum）が演じていたが、「５人目のビートルズか」と言われるほどの美男子で、当初のわき役としての設定からパートナーへと格上げされた経緯がある。
体格が良くて、いかにも武闘派のＫＧＢではなく、スマートで皮肉屋の冷徹なスパイとしてのイリヤ、女ったらしでいかにも古い時代の優雅なスパイ生活（Old Schoolという）を送るナポリオンの対比が面白い筈なのに、若干現代のスパイ映画に引きずられている面があるのは否めない。
ヒロイン・ギャビーを演じるアリシア・ヴィカンダー（Alicia Vikander）は、私のブログに何度も登場していますが、キュートな魅力と芯の強さを併せ持つ点が良い。次々といろいろな役が回ってくるのも、そのせいでしょう。
「フィフス・エステート（The Fifth Estate、2013）」と「エクス・マキーナ（EX MACHINA、2015）」に出ていました。有名な作品は「アンナ・カレーリナ（Anna Karenina、2012）」だそうです。まだ見ていませんので、そのうち見ようと思います。
ソロの上司サンダース演じるジェリッド・ハリス（Jared Harris）もイギリス人がアメリカ人を演じている例です。
英国人ウェイバリーを演じているヒュー・グラント（Hugh Grant）は英国人です。ウィバリーは作品中ではなかなかの曲者です。
古き良き時代のスパイ物ということで、適度なテクノロジー、適度な格闘技、適度な頭脳戦、そして適度なブラックユーモアと色気。核兵器拡散を防ごうと宿敵アメリカとソ連が手を組んだ割には、笑いを取ろうとするなど、気軽に楽しめる作品です。
作品の最後でイスタンブールで事件がありそうとの話が出ていましたので、続編があればイスタンブールを舞台に活躍してほしいですね。
なお、題名にもなっている秘密組織アンクル（U.N.C.L.E.）は、ニューヨークの国連近くに本部があり、一説には「U.N.」は国連（United Nations）の略となる予定だったとか、遊びの部分を持たせていたようです。
（データ）
The Man from U.N.C.L.E. (2015)
Warner Bros., RatPac-Dune Entertainment, Wilgram Produductions,
director: Guy Ritchie, 131 Mns
starring: Henry Cavill, Armie Hammer, Alicia Vikander, Elizabeth Debiki, Hugh Grant, Jared Harris
（紹介）
1960年代初頭、ＣＩＡのナポレオン・ソロとＫＧＢのイリヤ・キュリアキンは、謎の犯罪組織に対抗するため、共同作戦に参加することとなる。
2016/03/28＜曇時々雨＞
テレビドラマ自体はやや安っぽい感じがあって、気軽に楽しめるものでしたが、映画となるとかなりまじめに作っています。アクションもよくできていますし、設定もそれなりに正しいので楽しめます。
例えば、登場する車はトラバントとヴァルトブルグ。冷戦直後に実物を見るチャンスがありましたが、まぁ、何とも言えない車たちでした。しかし、1960年代当時ならば「現役」でしたから、それなりに走ったでしょうね。
役者について言えば、いろいろと批判が多かったようです。
まず、アメリカ人を英国人が演じ、ロシア人をアメリカ人が演じている。ドイツ人をスウェーデン人を演じ、オーストラリア人がイタリア人が演じている。言葉に敏感な人間はその違和感を感じずにはいられない（ようだ）。
主役ナポレオン・ソロをヘンリー・カビル（Henry Cavill）が演じているが、アメリカ人を英国人が演じるのは最近の傾向で、既にヘンリーはスーパーマン／クラーク・ケントというアメリカのヒーロー（設定上は厳密には宇宙人だが）を演じている。
残念ながらこの役に適切なアメリカ人がいないのかもしれません。個人的にはマット・ボーマー（Matt Bomer）が演じてもいいと思うが、こうした規模の映画には抜擢されないのかもしれない。
もう一人の主役、ＫＧＢのスパイ、イリヤ・クリヤキンを演じているのはアーミー・ハマー（Armie Hammer）。ロシア系ユダヤ人の血が流れているから、ロシア人の役を演じてもおかしくないと思われたのかもしれません。
これも個人的な意見だが、アントン・イェルチンの方が合いそうだ。テレビシリーズでは英国人デヴィッド・マッカラム（David McCallum）が演じていたが、「５人目のビートルズか」と言われるほどの美男子で、当初のわき役としての設定からパートナーへと格上げされた経緯がある。
体格が良くて、いかにも武闘派のＫＧＢではなく、スマートで皮肉屋の冷徹なスパイとしてのイリヤ、女ったらしでいかにも古い時代の優雅なスパイ生活（Old Schoolという）を送るナポリオンの対比が面白い筈なのに、若干現代のスパイ映画に引きずられている面があるのは否めない。
ヒロイン・ギャビーを演じるアリシア・ヴィカンダー（Alicia Vikander）は、私のブログに何度も登場していますが、キュートな魅力と芯の強さを併せ持つ点が良い。次々といろいろな役が回ってくるのも、そのせいでしょう。
「フィフス・エステート（The Fifth Estate、2013）」と「エクス・マキーナ（EX MACHINA、2015）」に出ていました。有名な作品は「アンナ・カレーリナ（Anna Karenina、2012）」だそうです。まだ見ていませんので、そのうち見ようと思います。
ソロの上司サンダース演じるジェリッド・ハリス（Jared Harris）もイギリス人がアメリカ人を演じている例です。
英国人ウェイバリーを演じているヒュー・グラント（Hugh Grant）は英国人です。ウィバリーは作品中ではなかなかの曲者です。
古き良き時代のスパイ物ということで、適度なテクノロジー、適度な格闘技、適度な頭脳戦、そして適度なブラックユーモアと色気。核兵器拡散を防ごうと宿敵アメリカとソ連が手を組んだ割には、笑いを取ろうとするなど、気軽に楽しめる作品です。
作品の最後でイスタンブールで事件がありそうとの話が出ていましたので、続編があればイスタンブールを舞台に活躍してほしいですね。
なお、題名にもなっている秘密組織アンクル（U.N.C.L.E.）は、ニューヨークの国連近くに本部があり、一説には「U.N.」は国連（United Nations）の略となる予定だったとか、遊びの部分を持たせていたようです。
（データ）
The Man from U.N.C.L.E. (2015)
Warner Bros., RatPac-Dune Entertainment, Wilgram Produductions,
director: Guy Ritchie, 131 Mns
starring: Henry Cavill, Armie Hammer, Alicia Vikander, Elizabeth Debiki, Hugh Grant, Jared Harris
（紹介）
1960年代初頭、ＣＩＡのナポレオン・ソロとＫＧＢのイリヤ・キュリアキンは、謎の犯罪組織に対抗するため、共同作戦に参加することとなる。
2016/03/28＜曇時々雨＞
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