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一つの意見としての米大統領選挙分析<今回も棄権> [研究日誌]

今回の米大統領選は分析がきちんとできていないので、自信がありません。投票は明日ですね。郵便投票がどう影響するかも気になりますが、大勢はすぐにはっきりするでしょう。

トランプが勝つなら、51対49、バイデンが勝つなら、52対48という数字とみています。大きく外したら恥ずかしいですが、これが国外にいる場合の限界と自覚します。

前回の選挙について一言いえば、どちらが嫌いかが大事な視点でした。日本の多くの選挙分析者やメディアが見誤った点です。米国の偏ったメディアに頼って、自分達で分析しないから読めなかったのです(*)。

自分達で情報分析をきちんと行えば、たとえ誤っても何を読み違えたか検証できますので、次の選挙ではより正確な予測ができるようになると思います。

因みに、米国の選挙専門シンクタンクの選挙分析レポートなんて普通の本よりも厚いくらいです。下手な小説よりも読み応えのある「書物」です。

クリントンには本来堅固な支持者となるはずだった「30代、働く女性」がそっぽを向いてしまいました。ロールモデルを求める彼女たちにとって、「陰謀家で権力志向が強すぎるクリントンにはなりたくない、憧れない」というのが底流にありました。

結果的にトランプになったわけですが、消去法で大切な大統領を選ぶとどうなるか米国民も少しは学んだでしょうか。今回の選挙には前回にはない3つのファクターが絡んでいます。

1つ目は「コロナ問題」です。いろいろな面で米国に大きな影響を及ぼしました。取り返しがつかないほどの数の国民が亡くなったり、罹患しています。

2つ目は「健康問題」です。ジョー・バイデンは健康上の問題をいろいろ取りざたされています。高齢でもあります。ロナルド・レーガンほどのカリスマ性もないです。実は私が最も重視する3つ目のファクターに繋がります。

3つ目は「大統領昇格問題」です。ジョー・バイデンはカマラ・ハリス上院議員(カリフォルニア州)を副大統領候補に起用しました。ハリス氏はジャマイカ系の父親とインド系移民の母親を持ち、初の黒人女性の副大統領候補となっています。

仮にバイデンが在任中に大統領の職務を続けられないことがあると、このカマラ・ハリスが大統領に昇格します。

選挙を経ないで大統領になったジェラルド・フォード(第38代大統領)と違ってカマラ・ハリスが大統領に昇格した場合、一応選挙を経ているので、正式な大統領として迎えられる可能性が高いですが、やはり米国民は女性大統領を迎える心の準備ができていませんし、非白人の大統領はバラク・オバマでこりているという雰囲気があります。

しかも、ハリス副大統領候補はエリート一家出身で本人も地方検察局、検事補、地方検事と司法の世界で着実に出世、カリフォルニア州司法長官にまでなっています。

ここで成功物語が好きなアメリカ人がこの人を応援すると考えたらいけません。オバマ前大統領の時と同じように、一般の黒人などは「自分達とは違う人種(中身が白人の黒人)」ととらえ、応援しなくなってしまうのです。

初の黒人大統領となったバラク・オバマが黒人からの支持が低かったのは、「頑張ったら、俺たちもああなれる」というレベルを超えてしまっていたからです。

米国でロースクールに行って、弁護士や地方検事になることができるケースは稀で、黒人が普通に選ぶ道ではないです。これは黒人自身だけの問題ではなく、現在噴出している米国が抱えている根深い人種問題の一つの側面です。

元の問題に戻ると、有色人種のサポートを受けたくてバイデンはハリスを選んだのかもしれませんが、逆効果になってしまった可能性が高いです。彼に追い風が吹いているのはトランプがあまりにもダメだからです。

トランプになってから「米国は経済が再興して、ビジネスが好調ではないか」という人もいますが、残念ながらトランプの政策で経済が好調なのではなく、オバマ時代の規制を緩めたり、制度を廃止したりしているだけなのです。

中小企業にまで取引報告義務を課したら、事務がとても面倒で、中小企業はビジネスを絞ってしまうに決まっています。実際に私が米国で会社経営をしていた時期がずっとオバマ大統領時代と重なっていましたので、その大変さを実感しました。

そうした規制がなくなっただけで、多くの企業はビジネスを広めようと考えます。それが好調な経済に見えたわけです。

それはさておき、ヒラリー・クリントンほどひどくはないが、カマラ・ハリスは女性の応援を得られるか心配ですし、有力な有権者である白人男性層はハリス込みでバイデンに投票するかと言うとバイデンに何かあった時のことを考えて、ハリスを敬遠する可能性が高いと思います。

もちろん、バイデンはあらゆる可能性を考えて、副大統領候補をハリスにしたのでしょうから、自分に何かあった場合、残りの任期中だけのリリーフだとしても、ハリスなら大統領は務まるだろうと考えていると思います。

しかし、有権者がそれを理解し、認めるかは別問題です。

題名に書きました通り、今回も期限前投票に行っていませんので、棄権です。うちの弟は米国在住ですので、投票に行くと思います。

短く書こうと思ったら、いろいろ書いてしまった。。。

*…Brexit(ブレグジット)も同様でしたね。現地メディアの報道している内容を読もうとしない人が多すぎます。日本に伝わってくる情報だけをうのみにしてはいけないと思います。私は現地情報を丹念に読み込んで、トランプ大統領当選もブレグジットも正確に当てました。社内では9対1でブレグジット否決でしたが、選挙民は「可決」でしたし、7対3でクリントン当選に対し、僅差でしたが、クリントン落選でした。

2020/11/02<雨後曇>
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